相手方の不当な遺産分割に対し、調停・訴訟をせずに交渉で望んでいた額を得られた事例 - 豊中・吹田・箕面の弁護士❘大阪千里法律事務所

② 相手方の不当な遺産分割に対し、調停・訴訟をせずに交渉で望んでいた額を得られた事例

Fさんの母親はFさんが幼いころに離婚し、再婚されて子供Yをもうけられました。その母親が亡くなり、相続が発生しました。Fさんの法定相続分は2分の1です。
FさんはYから、「母親には約900万円の預貯金がある。私は母親から約1000万円を預かった。他の親族も約1200万円預かっている(総額3100万円)。」と聞き、預り証のコピーを受け取りました。
Yが1000万円での和解を打診してきたので、Fさんはそれに応じようと考えていました。
ところが親族会議で反対されたためか、後にYは前言を翻し、預貯金900万円の半額すら支払わないと言い始めました。
驚いたFさんは、せめて1000万円程度は受け取りたいと相談に来られました。
Yに対して遺産分割調停を申し立て、他の親族に対して不当利得返還請求訴訟を提起すれば、総額3100万円の半額1550万円については勝訴できる確率が高いと考えました。
しかし母親の最後を看取ったのがYらだったので、Fさんは遺産分割調停や不当利得返還請求訴訟提起は望まれておらず、できれば穏便に和解で解決してほしいとのことでした。
そこで当方は、まず内容証明郵便でY及び他の親族に請求し、Yらの意向を確認しました。
その結果、Yらは弁護士を選任し、「預かったのではない。贈与を受けたのだ。」と争ってきました。
当方は、こちらの主張を詳細に相手弁護士に伝え、調停・訴訟によってもYらが勝訴する確率は低いことを主張しました。そして、和解案として1150万円を提示し、これに応じなければやむを得ず調停・訴訟に移行すると伝えました。
調停・訴訟やむなしかと思いましたが、相手弁護士は調停・訴訟では分が悪いことを理解したようで、800万円での解決を打診してきました。しかし、弁護士費用もかかっており、1000万円以下での和解は考えられませんでした。ただ、Fさんはどうしても調停・訴訟に移行したくないとのことでしたので、再度相手方を説得し、1050万まで譲歩して和解しました。