解決事例
交通事故
① Bさん
Bさんの夫は、飲酒運転で対向車線に進入してきた加害者トラックと正面衝突してお亡くなりになられました。
Bさんは保険会社の方とお話になられましたが、その時に、「Bさんの夫の前年の年収が逸失利益(夫が得ていたであろう収入)算定の基準になる。」と説明されました。
しかしBさんの夫は4年前に経営を開始し、事故のあった年から大口の顧客がつき、経営が軌道に乗りました。翌年にはもっと収入が増えていた可能性が高かったのです。
そこでBさんは、前年の年収で逸失利益を算定されることに納得がいかず相談に来られました。
保険会社の中には、被害者が法的に素人だと、裁判で認められる金額の半額以下を提示する会社があります。
そのため、死亡事案などのように損害額が高額になる場合には、弁護士を代理人に選任すべきです。
また、保険会社が一度半額以下を提示した後に提示額を増額する場合は保険会社社内の稟議が必要となり、簡単には増額を認めてくれません。したがって弁護士を選任するのであれば、交渉の当初から選任すべきです。
Bさんは上記の説明に納得され、交渉の当初から当方に依頼することにしました。
そして、「できれば翌年の推定年収を基準に逸失利益の算定が行われるようにしてほしい。少なくとも事故のあった年の年収での算定するよう交渉してほしい。」と依頼されました。
まず、Bさんの夫の取引先と連絡を取り、Bさんの夫との取引経過・今後の取引見込みを調査しました。その結果、大口の取引先が翌年新規店舗をオープンしてBさんの夫との取り引きする予定であったこと、引退する取引先が仕事をBさんの夫に任せる予定であったことが判明しました。そこでこれらの取引先に陳述書と資料を提供していただき、Bさんの夫の収入が翌年以降少なくとも2割上昇するはずだったと主張しました。
保険会社は、当方の主張を考慮し、当初から高額の和解案を提示してきました。
翌年の収入ではなく事故のあった年の年収を基準とするが、その他の葬儀費用・死亡慰謝料・車両や道具等の物的損害について最大限の考慮をし、1億円に近い金額を提示してきました。
訴訟を提起しても、前年の収入を基準とされたり、他の費用を厳密に計算されたら7400万円程度になる可能性が0ではありませんでした。そこでBさんと相談し、リスクをかけて訴訟を提起して翌年の収入での算定を求めることを断念し、1億0500万円程度に上乗せさせた上で和解しました。弁護士を選任せずにBさんだけで交渉していたら、7400万円の半額約3700万円で和解させられてしまった可能性のある事案でした。
② Eさん
Eさんは単車で交差点を直進しようとしたところ、右折車にぶつけられ、胸椎圧迫骨折による脊柱変形で身長が3センチも縮んでしまいました。一日中背中に痛みがあり、労働にも支障が生じていました。後遺障害等級としては11級が認定されました。
ところが保険会社から提示された金額は70万円でした。確かにEさんにも不注意な点はありましたが、あまりにも金額が少ないと思ったEさんは当方に相談に来られました。
後遺障害等級11級が認定された場合、後遺症慰謝料として約400万円が認められます。また、Eさんは障害のため労働に支障をきたしており、労働能力が20%程度落ちていると考えられましたので、約700万円の逸失利益が認められる可能性が高い事案でした。
ところが保険会社が提示した査定書の後遺症慰謝料の項目も逸失利益の項目も0円と記載されており、明らかに不当な金額でした。裁判で認められる金額の半額どころか1割以下の提示です。Eさんは当方に依頼されることを決めました。
既に後遺障害等級も11級と認定されていることから、裁判よりも早く、妥当な結論を出してくれる交通事故紛争処理センターを利用することにしました。
当方は、Eさんの日常生活での不都合を詳細に陳述書に記載し、Eさんの労働能力の低下を主張立証しました。
その結果、約930万円の斡旋案が出ました。請求額1100万円より減額されたのは、Eさんにも不注意な点があったとして過失相殺を15%認定されたからでした。この点についてはやむを得ない点がありましたので、斡旋案を受け入れて約930万円で和解しました。
③ Gさん
追突されたGさんは頸椎捻挫で後遺症に悩まされるようになりました。
ところが事前認定では後遺障害が認定されず、それを前提に保険会社から60万円程度の既払金のみでの和解を打診されました。
苦しい後遺症に毎日悩まされているのに後遺障害が認定されないこと、金額が余りに低いことに納得できず、Gさんは相談に来られました。
Gさんからよく事情をお聞きすると、上記頸部~肩痛・頭痛・神経症により日夜悩まされており、労働力も低下し、「首を切ってほしい。」と思うくらいつらい日々を送っておられることが分かりました。
しかしGさんの苦痛の原因はレントゲン等に写らず、他覚的所見がなく立証が難しいものでした。
そこでGさんから苦痛の状況を詳しく聞き取り、それを専門医に見せて意見書を書いてもらい、専門医の意見書とGさんの陳述書をつけて後遺障害等級に対する異議申し立てを行いました。
その結果異議が認められ、Gさんは後遺障害14級と認定され、逸失利益・後遺障害慰謝料総額約250万円が支払われました。
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