不動産取引及び不動産問題
ここでは不動産取引についてお伝えしていきます。
土地や建物の不動産取引をめぐる紛争は、その金額の大きさ、又契約の内容も一律でないことにより大きな紛争になることが多々あります。
不動産を巡るトラブルは、多くの方が一度は経験するトラブルの1つです。
以下のような場合は、弁護士に相談下さい。
・問題を起こしてばかりの借主に出て行ってもらいたい。
・滞納している家賃を支払って出て行ってもらいたい。
・土地や建物を借主が勝手に他人に貸しているので、出て行ってもらいたい。
・賃料の値上げをしたい。
・建物の賃貸契約を結びたいが契約満了時には問題なく済ませたい。
・土地の賃貸契約を結びたいが契約満了時には問題なく済ませたい。
・土地・建物を一定期間だけ貸すが、期間満了時には確実に土地・建物を返してもらいたい。
このような方は以下をご参照下さい。
不動産売買契約/賃貸契約
不動産売買契約で失敗しないポイントをご紹介します。
尚、個別の契約書については、弁護士にご相談されることをお勧めいたします。
不動産売買/賃貸は取引金額が大きいため,契約書を作成するのが一般であり,むしろ一般取引上は契約書を作成した時が契約締結の時となることが多いと考えられます。そこで,不動産の契約を締結するに当たっては,契約書の精査が不可欠であり,弁護士に相談するくらいの慎重さが要求されます。
重要事項説明の必要性
不動産を購入する場合は、宅地建物取引業者(宅建業者)を通じて購入する場合が通常です。その場合,宅建業者の側で重要事項説明が必要とされています。具体的には,その不動産に関する登記された権利の種類・内容などの法定の事項について説明が必要になります。
宅建業者側が事実とは異なることを告げたり、故意に購入者に対して購入者側の不利益となることを告げなかった場合には、売買契約を取り消すことが可能です。
登記簿確認の必要性
事前に登記簿を確認することで問題の発生を未然に防ぐことができます。
不動産登記には、不動産の権利関係が明らかになっているため、売主が本当にその不動産を所有しているのか、他の共有者がいるのではないか、抵当権など所有者の権利を制限する担保権が付されていないか等について知ることができます。
現地調査の必要性
売主が所有している、共有者がいない。という場合であっても、その建物を第三者が使用・占有している場合があります。そしてその事実は登記簿謄本からは読み取れません。借家権は必ずしも登記上に表示されるわけではないためです。建物購入後に、その建物が第三者に賃貸されていたためにその建物を使用することができなかった、という不利益を被らないためには、事前に現地調査をする必要があります。
用途地域確認の必要性
土地を買って建物を建てようとする場合には,都市計画法上の用途地域により建物の種類・建ぺい率・容積率・高さ制限などが法律により規制されている場合があります。用途地域は,住居・商業・工業など市街地の大枠としての土地利用を定めるもので,第一種低層住居専用地域など12種類があります。
用地地域は,各地方自治体で販売している都市計画図で確認することができます。
申込証拠金の考え方
申込証拠金とは,マンションや建売住宅の分譲販売の際,購入希望者から販売業者に対して交付する金銭のことです。申込証拠金は不動産取引実務の中で生じてきたものであり,法律上規定はありません。そのため,申込証拠金の法的性格については争いがありますが,購入希望者の購入意思の確認と,当該希望者の申込み優先順位の確保を目的として預託される金銭であるとする考え方が有力です。また,申込証拠金は売買契約成立前に交付されるものであるとするのが一般的です。
建物に欠陥があった場合の対応
従来は,民法上の請求として損害賠償請求および契約の目的を達成できない場合に契約を解除することができるにとどまっていました(いわゆる瑕疵担保責任)。また,この瑕疵担保責任を追及できる期間は,瑕疵の存在を知ってから1年以内に限られていました。しかし,「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(以下,「品確法」と言います)により,請求できる範囲が拡大しています。
・農地売買について
農地を売買する場合で,買主がその農地を農地として使用する場合は,原則として農地法3条により農業委員会または都道府県知事の許可が必要となります。また,買主が農地を農地として使用しない場合も,農地法5条により原則として許可が必要となります。農地法の許可が必要な場合において,許可よりも先に売買契約を締結しても契約は有効ですが,土地所有権は許可がなければ移転しません。そこで,農地を売買する場合は,契約書に「許可が得られなかった場合は,当然に契約を解除する」との条文を入れる必要があります。
土地建物の明け渡し
借主が家賃を払ってくれない、
借主以外の人が住んでいるようだ、
これ以上の問題には耐えられないから出て行ってもらいたい・・・。
上記のようなお悩みを持つ大家さんは多いものです。しかし賃借人が賃料を滞納しているといっても、大家さんは賃借人の同意なく部屋を片付け、明渡させることはできません。
ただ、法律にのっとった手続をすることにより問題を解決することが出来ます。
土地建物の明け渡しを求める場合
以下のような場合に明け渡しを求めます。
・借主に土地建物を貸したが,借主が賃料を払わないために賃貸借契約を解除し,土地建物の明け渡しを請求したい場合
・自己が所有する土地建物を不法占拠しておりその明け渡しを請求したい場合
以下に明け渡しまでの大まかな流れを説明します。
(1)物件の現地調査
まずは現状把握するにあたり、大家さんから話を聞き、登記簿をチェックし、必要に応じて現地に赴き、現況を調査します。
(2)内容証明による催告・交渉
話し合いや交渉を行うことで、裁判手続を行わずに解決できるケースもあります。まずは内容証明文書によって、賃料の催告と賃貸借関係の解消を求める意思表示を証拠に残した上で、話し合い・交渉を開始いたします。
(3)占有移転禁止の仮処分
明け渡しの判決を得る前に、他の人に占有が移ってしまうと、判決が無意味になります。
占有移転禁止の仮処分は、これを防ぐための保全手続です。
賃借人が多重債務などに陥り、いつのまにか行方不明になり、得体の知れない占有者がいるという場合がよくあり、占有者は物件の明け渡しを妨害するために、わざと占有をさらに第三者に移してしまうことがあります。そのため占有移転禁止の仮処分の手続きを済ませる必要があります。
(4)賃料請求・建物明け渡し訴訟
賃借人が話し合いや交渉に応じない、あるいはそもそも賃借人が行方不明などの場合は、裁判所に訴訟を起こします。
裁判の判決に基づく明け渡しは、大家さんにとって一番リスクが少なく確実な手段です。
(5)強制執行
強制執行による明渡手続が完了すれば、すべて終了です。
勝訴判決を受けても、賃借人や占有者が開き直って任意に明渡さない、または賃借人が行方不明の場合などは、強制執行手続によって、強制的に明渡を行います。
このとき、賃料債権がある場合は、部屋にある動産(家具や貴重品等)を換価して債権に充当することが出来ます。
オーナーの悩み解決までの流れ
1.ご相談
何ヶ月も賃料を滞納している借主、部屋の中に家財道具を残して何ヶ月も行方不明になっている借主に対し、物件の明渡しを求めたい、というケースは多々あると思います。
このような場合でも賃貸人からの契約解除・明渡しには、「借地借家法」という借主保護の法律があるため軽率に出て行ってもらうための強行手段はとれません。部屋の中の家財道具を借主の承諾を得ずに勝手に処分することは、違法な行為であり、法律上の手続を踏んで処分しなければなりません。
賃貸人が、このような制約を無視して行動すれば、住居侵入罪等の犯罪行為となることや借主から損害賠償を請求されることもあり、逆に足元をすくわれてしまう危険性があります。
したがって、進め方を事前に弁護士によくご相談ください。
2.受任→占有移転禁止の仮処分
ご相談の結果、上記のようなケースで法的に借主に明渡しを求めることができると思われる場合は、まず占有移転禁止の仮処分の申立てを裁判所に行います。
これは、後日の判決から強制執行までに時間がかかるため代替の迅速な問題防止手続きです。というのも、その手続きの間に借主が別の第三者に占有名義を変えてしまうと、第三者には判決の効力が及ばないので、強制執行できなくなってしまうためです。
占有移転禁止の仮処分の決定が出ると、裁判所の執行官が借主の物件に赴き、仮処分の決定が出ている旨が記載された告示書を物件に貼り付けることになります。その際には、当事務所の弁護士も立ち会います。
場合によっては、このような告示書が貼られることの心理的効果として、任意に借主が退去してくれることもあります。
3.本訴・強制執行内容証明郵便
それでも賃借人が明け渡してくれない場合もあります。その場合は明渡しを求める訴訟を裁判所に提起します。その後開かれる裁判所の口頭弁論期日で、借主との間でいついつまでに明け渡すことで和解が成立することもあります。
借主と話し合いによる決着がつかない場合、借主が裁判所に出頭しない場合には、明渡しを命ずる判決が裁判所から言い渡されます。
そして、この明渡しを命ずる判決に基づき、強制執行の申立を行い、どうしても借主が退去しない場合には、国家権力により強制的に立ち退かせることになります。
強制執行が終了すれば、部屋の中に残された荷物も賃貸人側で合法的に処分することができ、次の借主を入居させることができるようになります。
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